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カテゴリーマネージメント ケーススタディ

ケーススタディ 2

お客様とメーカーのカテゴリー認識の食い違いを修正

カテゴリーマネージメントによる販売促進を行なう上では、メーカーが想定しているカテゴリーと、お客様の認識が一致していることが非常に重要です。しかし、パッケージのデザインや広告宣伝の在り方によって、お客様が誤った認識を持ち、比較検討の対象にすらなっていないことは少なくありません。

ここでご紹介するケースは、そうしたカテゴリー認識の食い違いを発見し、その解消に成功した事例です。

分析1 想定していた競合商品とは、異なるカテゴリーで比較検討されていた

化粧品大手B社の基礎化粧品は美白効果に力を注いで開発された商品です。エンバイロセルジャパンは、お客様がどのようなプロセスでこの商品を選び、購入している(購入していない)か、という調査を受託。基礎化粧品売り場の棚前にトラッカーを配置。店頭でのお客様の行動を追跡調査しました。また、レジでの出口調査(基礎化粧品を購入したお客様へのインタビュー)を実施。なぜB社の商品を購入したのか(しなかったのか)をお客様からうかがいました。

追跡調査の結果、見出されたのは、店頭でB社製品を手に取ったお客様が同時に検討していたのが、同じ美白効果をうたった他社商品ではなく、保湿などをセールスポイントにした商品だったことです。一方、競合と想定されている他社の美白向け商品を手に取ったお客様は、同じ美白というカテゴリーの中で比較検討を行なっています。

つまり、お客様は店頭でB社商品を美白に効果がある、とは認識していなかったのです。

下記グラフは各商品検討者の同時検討商品を表したものである。
例えば、検討者(表側)を軸に横に見た場合、数値の高い商品がその検討者の同時検討率の高い商品という意味です。

※商品Bは、美白カテゴリーよりも、保湿カテゴリーの商品と比較される度合いが高い。
分析2 パッケージの色使いが、お客様の誤解を生んだ原因だった

一方、店頭での聞き取り調査の結果、判明したのは、お客様はB社の製品のパッケージデザインに「保湿効果が高そう」というイメージを持っていたことです。

美白というカテゴリーで競合に当たる商品は、美白効果をイメージさせるため、白を基調としたパッケージを使用しています。一方、B社の製品は美白のカテゴリーの中で差別化を図るため、やや暖色系のカラーを使ってデザインされています。しかし、暖色系のパッケージは、他社では保湿効果をうたう商品に数多く採用されているのです。

つまり、お客様は、B社のパッケージが暖色系であったために、無意識のうちに美白というカテゴリーから外してしまっていたのです。

結論・提案 同一カテゴリーの商品を集めたカウンター設置を提案

今回のケースでは、メーカーが想定していたカテゴリーと、お客様が認識していたカテゴリーが食い違っていたことが最大の課題です。

そこで、エンバイロセルジャパンでは美白効果を強く訴求する販促物の設置に加え、販売店に美白カテゴリーの商品を集めたカウンターを作ってもらい、該当の商品が「美白」であることをお客様に強く訴求。他の美白系商品と比較検討してもらえるようにアピールすることを提案しました。

施策改善後の調査では、上記の施策を取ったことで美白商品としての検討視認率が向上。売上アップにも効果を及ぼしていることがわかりました。

今後の課題としてパッケージのリニューアルや、TVでの広告展開も提案していますが、
販売店でのコミュニケーションを改めるだけでも、大きな成果につながっています。