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カテゴリーマネージメント ケーススタディ

ケーススタディ 1

「商品の良さ」が伝わっていない原因を、顧客行動から分析する

カテゴリーマネージメントでは、お客様の店頭での行動を徹底的に調査。「どのようなプロセスで特定の商品を選ぶのか」を観察し、店頭でのお客様とのコミュニケーション手法を設計します。

このページで紹介する事例は、お客様の行動からメーカーが伝えようとするメッセージが伝わっていなかったことを発見。その改善に成功したケースです。

分析1「買わなかったお客様」は製品の特徴を理解していなかった

エンバイロセルジャパンはある一般消費財メーカーの販促戦略の分析を依頼され、スーパーのレジで出口調査(A社製品と同一カテゴリーの商品を購入したお客様へのインタビュー)を実施。なぜA社の製品を購入したのか(しなかったのか)をお客様からうかがいました。また、その商品カテゴリーの棚前にトラッカーを配置。店頭でのお客様の行動を追跡調査しました。

出口調査の結果、見出されたのは、A社の製品を購入しなかったお客様は、同社製品のセールスポイントである“肥満予防”という効果をほとんど理解していなかったことです。

こうした結果が見えた場合、通常であればメーカーは、プリストア情報(TV、新聞、雑誌などの広告を通じた情報提供)が十分でなかった、と判断。メディアにより多くの広告予算を割くことを検討し始めます。

しかし、同時に行なった追跡調査の結果から、非常に興味深いお客様の行動が浮かび上がってきたのです。

分析2「買わなかったお客様」はパッケージ裏面を見ていなかった

A社の製品は、パッケージの裏面に、“肥満予防”というセールスポイントが詳しく記載されています。しかし、トラッカーによる追跡調査の結果、見出されたのは、A社の製品を購入しなかったお客様の多くは、比較検討のために商品を手に取っていない、という事実。逆にA社製品を買ったお客様の60%以上は、商品を手に取って検討した上で購入を決定しています。

すなわち、購入しなかったお客様は、パッケージの裏面をまったく見ず、表面に表記された情報をさらっと見て、買う・買わないを判断していたのです。これでは確かにA社製品を選ぶことのメリットはお客様に伝わりません。

結論・提案  商品のセールスポイントをパッケージ表面に記載

出口調査と追跡調査の結果を総合して考えた結果、パッケージの表面でセールスポイントを強く訴求すれば、お客様に伝えたい情報がアピールできる可能性があることが分かってきました。これを受けてエンバイロセルジャパンではパッケージデザインのリニューアルまたは、シーリングPOPでの情報訴求を提案。売上面においても、クライアントの満足をいただける結果を出すことに成功しました。

今回のケースでは、出口調査の結果だけを受け、広告宣伝に力を注いでいたのでは、予算をかけたのに思うような効果が出なかった、という可能性は十分にあります。「商品を売るためのヒント」は、お客様が無意識のうちに行なっている行為の中にもあるのです。